森林セラピーマシーンを作って癒される
現代人の多くが抱えるストレスは、美容・健康などの大敵です。特に都会に暮らしているとそのストレスはたまる一方。 そこで都会にいても、自然に触れ合えてストレス解消ができるマシーンを開発しました。
ストレスは森林で癒そう
都会に暮らし、仕事に追われているとついついストレスを貯めてしまいがちです。どんどんストレスがたまると美容に悪いのはもちろんですが、体調にも悪影響を及ぼしてしまいます。
最近は森林などの自然地に行くとストレスを軽減する効果があると言われています。昔は森林浴と言われていましたが、現在では「森林療法」、「森林セラピー」などと呼ばれています。 森林からでる成分を吸ったり、五感をフルに使ったりすることで気分がリフレッシュし、ストレスを軽減し、体を自然のリズムに戻すことができるそうです。
効果はよくわかるし体験したいのですが、なかなか都会にいると森林に出かけるのは大変です。特に私はお休みの日は部屋にいたいので出かけること自体がストレスです。むしろ布団の中で一生を終えたいタイプです。 そこで家にいても気軽に森林セラピーが体験出来るマシーンを開発することにしました。これでいつでもどこでも森林セラピーが体験出来るはずです。
森林セラピーマシーンを作る
森林セラピーで一番大事なのは五感をフルで使うということです。特に視覚は人間が得る情報のほとんどを担っています。そこで、森林にいるように感じることのできる傘を作ることにしました。
まず、森林の写真を撮影に行きます。いきなり矛盾を感じたと思いますが、日本の3分の2は森林ですので、あまり細かいことは気にしないようにしてください。
撮ってきた写真を透明なフィルムに印刷したのは、光が透けて入りやすいようにしたためです。暖かい陽射しも森林セラピーで感じることのできる癒しの一つなので、それを再現しました。
印刷したフィルムに穴あけパンチで2カ所穴をあけます。そして、家庭には必ず最低一つはある、かぶるタイプの傘に装着すれば完成です。
とても簡単にできました。森林に写真を撮りに行く時間を除けば30分ほどで完成です。ちなみに写真を撮りに往復4時間ほどかけて森林に行きました。 しかしこれで一番大切な視覚を癒すことができました。現代人はパソコンやスマートフォンなどで目が疲れていますので、森林の優しい緑で癒してあげたいのです。
森林を感じることのできるマスクを作る
次は嗅覚を癒します。匂いは人の思い出と結びつきやすい感覚の一つで、好きだった人と同じ匂いを嗅ぐと胸キュンした女子は多いのではないでしょうか。そこで、以前森林に行った際に拾ってきた木材を削って匂いをだします。
最近のマスクにはポケットが付いていて、専用のフィルターを入れることができます。今回はその構造を生かして、ポケットに木の削りかすを入れることにしました。念のためマスクにも煮汁で匂いをつけておきます。
このマスクをつけると木材のいい匂いがします。少し強すぎる気もしますが、弱いよりはいいはずです。胸いっぱいに森林の匂いを嗅いで欲しいのです。
森林セラピーマシーンの完成
視覚と嗅覚を制した私に怖いものはありません、一応この二つだけで足りない時のために聴覚も補っておくことにしました。 これが一番簡単で、まず森に行きます。そして、持っている携帯電話などの録音機能を使って森の中の音を録ります。風が木を揺らす音、鳥のさえずり、落ち葉を踏む音などを持ち帰ればいいわけです。
これで森林セラピーマシーンの完成です。今日は人類が室内で森林にかえり、ストレスから解放された記念日です。
森林セラピストに見せに行く
せっかく作ったマシーンなので、専門家にみてもらおうと森林セラピストの小野なぎささんに会いに行きました。小野さんは人と森をつなぐ森林セラピストの資格を有し、様々な森林で森林セラピーを行ってきた方です。
森林セラピストとは本来、森に人々を連れて行き、森に行く安心感を与え、森に入った際の五感の使い方などを教えてくれます。私にも「森林セラピーマシーンは有効」という安心感を与えてくれるはずです。
まずはマシーンを作ったことを褒めてくれたのですが、改善点も何点か教えてくれました。まずは木々が近すぎて見えないということです。確かにフィルムが顔に近すぎて森というより黄緑色の藻のようなものが目の前に漂っているようにみえるのです。
そしてマスクですが、匂いが暴力的すぎると言われました。良かれと思って強めに匂いをつけたのがよくなかったようです。匂いの元が近すぎるので、息苦しいほどだそうです。うっすらアロマなどをつけるといいそうです。
よくよく考えると録音した音も私に近すぎたのか、シャカシャカという上着が擦れる音だけが入っていました。何事も適度な距離感というものがあるようです。近すぎると良さも鬱陶しく感じるものなのです。
やっぱり森に行こう
小野さんによると「森は自分を映す鏡」なのだそうです。私の作った人工的な森は距離感のないうっとうしい森でした。私自身も鬱陶しいと思われていないか急に心配になります。
もう一度森林との適度な距離を学ぶために、小野さんのような森林セラピーの専門家と一緒に森に行った方がいいようです。皆さんもぜひ家に閉じこもってばかりいないで一緒に森林に癒されに行きましょう。
撮影協力 一般社団法人森と未来 代表理事 小野なぎささん 森と未来サイト→http://fwithf.org