最強の水中運動と言われる「ハイドロトーン」を自宅の風呂でやってみた
スポーツクラブにプールがついているかいないか。スポーツクラブを選ぶうえでかなり重要な要素だと思います。水泳は全身を使う有酸素運動ということで、ダイエットに最適なのです。 水泳が最高!そう思っていた私に「最強の水中運動」というものがあるという情報が入りました。体験したうえで、あわよくば家の風呂でできる方法がないだろうかと、模索してきました。
最強の水中運動は人体のガンダム化にあり
最強の水中運動ができる場所が山梨県上野原市にあると聞き、やってきました。
秋山温泉はただの温泉ではありません。プールの設備があります。 水中運動などのプログラムも用意しており、「総合ウェルネス施設」という言葉が適切ですね。
プールのわきに置いてある黄色い器具。 これが「最強の水中運動」をするために開発された「ハイドロトーン」です。
装着するとこのようになります。足のところとかむっちゃガンダムっぽいです。 この器具を装着して水中で動くことで、水の抵抗を高めてくれます。 その強力な抵抗が「最強の水中運動」と呼ばれる所以なのでしょう。
足に装着する器具と手に持つ器具。この二つがセットでハイドロトーンです。 細長い浮き具を持つと、ますますガンダムっぽい!
ガンダム式の歩行に慣れていない私がよほど心もとなかったのでしょう。 インストラクターさんに見守られながら入水です。
見せてもらおうか、ハイドロトーンの性能とやらを…!
今回は秋山温泉で行われている、ハイドロトーンのレッスンに参加させていただきました。
最初はプールの周りを歩いてウォーミングアップ。この時点で性能とやらを察しました。 水中で歩くとき、手を握るとすんなり腕を振ることができますね。手を開くと水の抵抗が強くなり、動かすには力が必要になってきます。それのすごいバージョンというのが適切です。
ものすごい単純な動作ですね。これがなかなかきつい! 早く動かすと高い負荷がかかってきます。逆にゆっくりと動かせば、そこまでの負荷はかかりません。 ハイドロトーンは動かすスピードで負荷が変わる、各個人に「最適な水中運動」でもあるのです。
これも単純な動きですが、なかなかつらい! 前に器具を動かすとき、反動で体が後ろにのけぞるのを腹筋でカバーする。 これは腕の運動をしているように見えて、腹筋、体幹、支えるインナーマッスルが同時に鍛えられます。
約40分のレッスン。体験して「最強」の意味が分かりました。 負荷が強いということだけでなく、体全体を、適切な負荷で鍛えられるのです。 次の日は全身筋肉痛になりましたが、「適切な負荷だった」せいかまろやかな筋肉痛でした。
自分「予想以上にきつかったです。さすが最強ですね。これを家の風呂でできますかね」 茜さん「家でですか!?そうですね……」 こうして私はハイドロトーンを実践し、風呂で「最強の水中運動」をおこなう術を心得てきました。
自宅の風呂で最強水中運動
ハイドロトーンの根本は「抵抗を作り出すこと」にあります。 要は面積の大きいものを水中で動かせば抵抗を生み出すことはできるはずです。
私の家の風呂は一般家庭サイズよりだいぶ小さいです。 こんな環境で、本来プールでおこなう運動ができるのでしょうか…いや、やって見せましょう!
教えてもらったハイドロトーンの代わり…それはこのペットボトルです。
陸上では重いものを支える筋肉を使いますが、この場合浮力を押さえつける筋肉を使います。 この小さなサイズにも関わらず、かなりの力が必要です。
足の指でペットボトルを握りこんだまま水中に沈めます。 湯船が小さいせいでバランスがとりにくいです。バランスを取るために自然と体幹も使います。 キャップまわりは布を巻くなどしないと、角があって痛いので要注意です。 湯船のなかでできる水中運動としてみると、このペットボトルは効果がありそうです。 ただ、浮力を利用しており、ハイドロトーンとはまた違う運動をしているという印象です。
もっと水の抵抗を活かしたいと考えた私は、家にあるものをいろいろ探してみました。
こいつを水中で動かしたらかなりの負荷になると思うのです。
スピードによって感じる負荷が違うあたり、ハイドロトーンっぽいです。 狭い湯船でも、自由自在にかたちを変えてくれるので、浴槽にぶつかったりするストレスもありません。
ビニール袋の場合は、湯船の水をすくって陸上にあげるほうが筋肉ついてる気がします。 水中をくぐらせてから陸上にあげる、これを1セットとしておこなうと、優秀な水中運動になります。
さらなる負荷をもとめて台所を漁ったところ、こいつなら高負荷だろうと思われる大皿が出てきました。
面積が大きいため、押しのける水の量も大きいです。 どのくらいの力を込めているかは、浮き出た鎖骨を見れば想像していただけるはずです。
手首を返して大皿を引き寄せます。 持続して負荷がかかり続ける、瞬発力を使って手首を返す…この動きはハイドロトーンに近い感覚です。 効いてはいるのですが…やはりハイドロトーンとは少し違います。 ハイドロトーンに近付くためには何が必要なのでしょうか。
ハイドロトーンに重要なのは「器具の滑走距離」
実際に体験し、風呂で実践してわかったこと。 それは「負荷をかけ続けること」がハイドロトーンの肝だということです。
この動きは陸上であれば、瞬間的に力を入れて、あっという間に終わる動作です。 水中でハイドロトーンを持つと片道の移動だけで3秒くらいかかります。 その理由は手をつきだしている間、負荷がかかり続けているからです。 動かす距離があり、移動のあいだ負荷がかかり続けているからしんどいのです。
その点、風呂だと水の抵抗を十分活かすための「滑走距離」が足りていません。 ハイドロトーンの効果は器具の力だけではなく「滑走距離」がある、プールという環境にあるのです。 最強の水中運動、ハイドロトーンは家の風呂で再現するとそれなりの水中運動になります。 「最強」を体感したいかた、ハイドロトーンのあるスポーツクラブへ一度足を運んでみてください!