朝のごみ捨て程度では運動にならない。でもごみ処理場まで捨てに行ったら運動になる。
世の男性のみなさん。仕事前に「ごみ捨て」をするだけで、ちょっと運動した気になっていませんか? このさいはっきり言いましょう。あんな短い距離を!ごみを持って歩いただけで!運動になるわけがない! とはいえ、このごみ捨てが運動と信じたい人もいることでしょう。そんなかたのために、間違いなく運動になるごみ捨てを考えてみました。
ごみ収集車に任せない
よく目にする朝の光景。出社ついでにごみを捨てています。 これはこれでいいのですが、問題はこれを「運動」と思っていること。こんな短い距離をごみを持って歩くだけで運動なわけがないのに、なぜか運動した感があるのです。 この「運動している」という勘違いを「事実」にするにはどうすればよいか、考えてみたところ…
そう、こんなに近い距離だからいけないのです。 出社前のごみ捨ての時間で、ごみ処理場までごみを捨てに行くことにしました。 最寄りのごみ処理場まで約7km。そこまでごみを捨てに行ったら絶対に運動です。
視線が気になるごみ捨ての旅
駅に着きました。本来であればここで電車に乗り、職場に向かうわけです。 今日はまだごみ捨てが終わっていないので乗れません。
「え、この人ごみ出し忘れてない…?」そんなこそこそ声が聞こえてきそうです。 まだごみを捨てに行く最中なのに、なんだか仕事できない人みたいに見えます。
ごみ処理場は臨海部にあります。 市街地を抜けて潮風を感じられるようになりました。 この時間なかなか見ることのできない光景を見て、いい一日の始まり…そんな気がします。
そんな気はするのですが、いかんせんごみを持っているせいで絵面がアホっぽいです。 いい朝なのは気のせいなのでしょう。
家から歩くこと約1時間30分。 ようやくごみ処理場が見えてきました。歩いたことの疲労感以上に靴擦れがつらいです。 ごみを捨てたら最寄りの駅から電車で出社すればいい、もうちょっとの辛抱だ…!
ごみをごみ処理場まで捨てに来た!
ついに今回の検証も終わりを告げる時がやってきました。大田清掃工場に到着です。 心が軽くなったせいか、ごみも軽くなったような気がします。 ちなみにこちらは車両専用の入口。施設に用事があるかたは別にある通用口を使いましょう。
集まってくるごみ収集車を見ると、少しだけごみ収集のお兄さんの仕事を減らせたんだと思い、なんだかいいことをしているんだなぁという気持ちになりました。 しかし、運転手さんからは「こいついったいなにやってんだ?」という怪しむ目線を感じます。 それではごみを工場のかたに渡して、この小旅行を終わらせてきます!
23区の清掃工場では、持ち込みの家庭ごみは受け入れていないのだそう。 完全に下調べが足りていなかった…このごみはどうしたら…
ごみを持って帰る
そのへんに捨てることはできないので、持ち帰ることにしました。 こころなしか家を出たときよりごみの重さが倍くらいに感じます。
まちのなかにたくさん見かけるバス停。バスに乗ればこれ以上歩くことなく家に戻れます。 ごみを持って乗っていいのか調べてみたところ、乗ってはいけないという明確な記述はなかったのですが、臭気を発するもの、他のお客様の荷物を汚損する可能性があるものは持ち込めないそうです。 バスもそうですし、電車も同様です。持っているのはごみですから、万が一があります。公共交通機関を使うわけにはいきません。
バス停の誘惑もそうですが、もっと多い誘惑があります。ごみ集積所です。 1か所のごみ集積所を見つけてあたりを見回すと、だいたい2~3か所ごみ集積所があるのです。 「そこに捨てちゃえば楽だ…!」そんな誘惑に何十回も誘われるのです。頭がおかしくなりそうでした。
ごみを出す集積所は、指定されたところ、指定された時間に出すのがルール。 ごみの種類から察するに、そもそも今日は資源ごみの日のようです。 さすがにここに可燃ごみを置いていくわけにはいきません。
最悪のトラブル
歩き続けること約2時間半。起きてはいけないトラブルが発生しました。
ごみが袋と擦れたのか、木の枝に引っかかったのか、盛大に穴が開いています。 このまま持っていたら家に着く頃にはごみ袋が空になってしまうでしょう。
近くのコンビニでごみ袋を購入しました。 ごみ処理場まで持っていかなければ、この出費はお昼のコーヒー代になるはずだった… 虚しさに加え、疲労感に靴擦れと、これから出社しようなんて気分ではありません。
ごみ、出せずに帰宅
3時間30分ほどかけて家に戻ると、自宅付近のごみ集積所ではすでにごみが回収された後でした。 このごみをいま捨ててしまうのは完全にルール違反。各ごみ集積所で出す時間は決まっているのです。 ここに捨てられないのであれば、もう自宅に持ち帰るしかない…
朝のごみ捨てを立派な運動にするために検証したわけですが、結果として運動はできても肝心なごみが捨てられない、という結果になりました。 ごみは普通に指定の集積所に出して、空いた時間でスポーツクラブに行ったほうがよさそうです。 ※大田清掃工場では、車両通用口は収集車の往来が多く危険です。 今回は特別に許可をいただき、撮影しました。