安全な登山のために丸見えの山を登る
最近は、若い人からお年寄りまで多くの人が週末になると登山に出かけます。単純に登山が趣味の人もいれば、健康づくりの一環で山に登る人もいます。 しかし、山ではいつ何が起こるかわかりません、常に危険と隣り合わせです。そこで、登りはじめから登頂まですべてが見える山登りをしてみました。
健康のために山登りへ行こう!
健康のために、普段からウォーキングをしたり、ランニングをしたりする人は多いのではないでしょうか。これはすぐに始められて比較的簡単だからです。しかし、同じところを毎日歩いたり走ったりするのは飽きてきてしまうものです。
しかし、山に登るためには専門の道具や山登りの知識が必要となり、少し不安な方も多いのではないでしょうか。道に迷ったら、途中でクマに教われたらと考えると、前日はなかなか眠れず、かえって健康に悪そうです。
丸見えの山
たいていの山は木々が生い茂り、一歩山にはいるとすぐに姿が見えなくなってしまいます。しかし、日本には登っている人や、道などが丸見えの山があるのです。その山に登るために熊本県阿蘇市にやってきました。
優秀な観光地でもあるこの阿蘇山は、昔から牛馬の放牧地として人が手入れしてきた丸見えの山なのです。そこで、ぜひ健康づくりもかねて阿蘇山に登ってみようと思います。私の健康状態が丸見えになる健康診断に備えて、なんとしても健康になりたいのです。
山を登る準備
山を登るときには、服装、靴等の装備をしっかりとすることはもちろんですが、水や行動食の準備、ルートの確認などが必要になります。私は海外で炎天下の中20km歩いて熱中症になりかけた経験があるので、痛いほど重要性がわかっています。
阿蘇駅をでるとすぐに見える、「道の駅阿蘇」には水や食料はもちろん、観光案内所があるので阿蘇山の様々な情報を聞くことが出来ます。阿蘇は包み隠さずすべてが気持ちいいくらい丸見えなのです。
実は、阿蘇の中でも比較的登りやすく国の名勝にも指定されている、標高954mの米塚に登ろうと考えていたのですが、観光協会で確認すると現在は登頂立ち入り制限がかかっていて登れないとのことでした。早くも安全安心な丸見えの登山に暗雲が立ちこめます。
そこで、観光協会の方に勧められたのがそのお隣にある「杵島岳(きしまだけ)」です。標高は1321mと高いのですが、途中まで車で行くことが出来、比較的登りやすい山で、道からも登っている姿が丸見えですよ、と教えてもらいました。
杵島岳を登る
杵島岳の登山口付近に到着したとたん雪が舞いはじめました。今日の朝は晴れ予報だったのに、山の天気は読みにくいので丸わかりとは言えないようです。しかし、ちらちらと舞う程度なので、気にせず登ることにしました。なんせ丸見えなので吹雪いてもすぐに危なそうならすぐに引き返せばいいのです。
杵島岳は道路から丸見えで、地図上でも片道25分と書いてあったし、観光協会の人が登りやすいですよと言っていたので、あっという間に登れると思っていたのですが、意外と勾配がきついのです。人当たりのいいお局のような山です。
カメラマンに外から丸見えの登山を撮影してもらおうと、少し離れている草千里展望台という場所から撮影してもらったのですが、こちらからもカメラマンが丸見えです。
カメラマンからはスイスイ登っていきますね、やはり見えている通り登りやすいんですか、と電話が来たのですが、全然違います、必死です。山頂付近にいる人が私からも見えて、スイスイ登っているように見えたのですが、みんな疲れた様子で降りてきます。
休憩も丸見え
水を飲んで休んでいるとカメラマンから「いま水を飲んでいるでしょ、こちらも寒いので早く登ってください」と電話がかかってきました。丸見えです。丸見えだからこそさぼっているとわかってしまうのです。この日阿蘇の気温は2度。私がいる山頂付近は吹雪いてきました。私も早く登頂して一刻も早く下山したいです。
すべてが丸見えでも、大自然を前にすると私達の想い通りにはなりません。しかし、山頂はもう少しです、見えているのであとどれくらいかわかって、やる気だけはでます。
ついに登頂
丸見えの山なら簡単に登れるだろうと、登りはじめて30分。ようやく頂上に到着しました。途中で雪に降られたり、意外と急勾配だったりと丸見えでも登ってみなくてはわからない大変なこともたくさんありましたが、頂上に登るとすべてが最高の思い出にかわります。
帰りもあられに降られる等ありましたが、無事に下山することができました。しかし次の日はひどい筋肉痛でロボットのような歩き方です。皆さんもどんなに丸見えの山でも、山に登る時はきちんとした準備と装備、そして普段からスポーツクラブ等で体力をつけておきましょう。