福岡のヘルシー食材「おきゅうと」を食べる
暑かった夏も終わり、いよいよ秋がきます。秋と言えば、芸術の秋、スポーツの秋など様々な秋があります。食いしん坊な私は、やはり食欲の秋です。 でも最近、年齢のせいか、食べれば食べる程太ってしまいます。健康や美がテーマのサイトで書いている者として、これではいけません。でも美味しいものは食べたい、たらふく。 そこで、地域にある美味しくてヘルシーな食材や郷土食を探して、この二つの願いを同時にかなえることにしました。
福岡のヘルシーで美味しいものを探す
福岡に行く機会があり、美味しいものたくさんの福岡になら、ヘルシーで美味しいものがあるのではないかと思い、探してみることにしました。
福岡は誘惑の街です。明太子やとんこつラーメン、もつ鍋など、美味しいけどちょっと食べ過ぎると太ってしまう食べ物がたくさんあります。でもこれをリセットできる素晴らしい食材があるはずです。美味しいものをたくさん食べて、その食材で一気にリセットです。
福岡のソウルフード
福岡県全体で見ると、美味しい郷土料理がたくさんあります。皆さんもよくご存知の筑前煮も、福岡の郷土料理です。地域の野菜をたくさん使った煮物で、お正月等のハレの日によく食べられています。
美味しいものを求めて、小倉駅近くの「旦過市場(たんがいちば)」へ探しにきました。いつでも食の探求者であり、冒険家でありたいのです。
北九州の小倉地方には、サバ等の魚を糠味噌(ぬかみそ)で炊いた「糠味噌炊き」という料理があります。 糠味噌で骨まで柔らかく炊いてあるため、全部を食べることができます。そのため、カルシウムも摂れるのじゃないかと思います。唐辛子のピリッとした辛さもごはんにあいそうです。
実際食べてみると、糠味噌炊きは予想通りのおいしさで、白いごはんが欲しくなりました。これなら1切れでごはん3杯はいけそうです。このように福岡には明太子、高菜漬けのようなごはんの友もたくさんあります。私も友達になりたいです。
福岡のソウルフード「おきゅうと」
どの料理も美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまいます。このままでは風船くらいだった私の顔の丸さが、バランスボールまで成長しそうです。困り果てて、なにかいい食材はないか九州出身の友人や親戚にたずねたところ、福岡市内でよく食べられている「おきゅうと」の存在を教えてもらいました。
「おきゅうと」は海藻のエゴノリを、イギスという海藻で固めた食材で、ところてんのようなものです。昔から愛されている食材です。
佐渡の友人に聞いたところ、新潟や長野でも、「いごねり」と言われる似た食材があるそうです。佐渡のいごねりも伝統的な地域食材で、同じように昔から愛されています。私も「おきゅう」や「やいごねり」にあやかって、長く愛される人間になりたいものです。
福岡では、昔はおきゅうと売りと呼ばれる人たちが街中にいて、朝食の際、豆腐や納豆のように毎日食べられていたそうです。ほとんどが水分で、カロリーがほぼゼロなので、ダイエット食品としても注目されています。これならいくら食べても罪悪感がありません。
飢饉から人々を救った「おきゅうと」
「おきゅうと」というユニークな名前の由来には諸説あるのですが、その一つに飢饉から人々を救った「救人(きゅうと)」という説があります。私のこの体型も救ってくれないか、そんな期待を込めて、実際に買って食べてみようと思います。
食べ方は色々
買って来たおきゅうとは2つのタイプです。一つは薄いシート状のおきゅうとを丸めてあるタイプ。もう一つはこんにゃくのように板状になったものです。
薄いシートタイプのおきゅうとは一度広げて、包丁で好きな大きさに切ります。これに鰹節とショウガ、お醤油をかけて完成です。料理できない女子の、私でも簡単に作れます。
福岡の方は、これにごまをかけたり、ネギをかけたりと、お好きなトッピングで楽しんでいるようです。おきゅうとで個性が出せるのも、人気の秘訣かもしれません。原宿辺りなら生クリームとチェリーがトッピングされてそうです。
食感はところてん程固くなく、かといって柔らかすぎず、つるつると食べることが出来ます。味はほぼないので、九州の甘めの醤油がよくあいます。かすかに海藻の味がして、海を感じます。人類はみな海からうまれたのですから、懐かしい故郷の味と言えるでしょう。
こんにゃくのような板状のものは2-3mmの厚さに切って、付属の酢みそでいただきます。
シート状のものより厚さがあるので、よりコリコリとした食感が楽しめます。酢みその甘酸っぱい味が、おきゅうとと、よく合っています。おいしいです。 醤油や酢みそがさっぱりとしているので、食欲のない時や、病気の時等にも食べやすくていいかもしれません。おつまみにもむいているので、夜、お酒のお供にしても良さそうです。九州は焼酎がおいしいので合いそうです。
油断禁物
この日はたくさんのおきゅうとを食べて、お腹いっぱいで眠れませんでした。ちょっと体にいいものと聞いたら、安心して食べ過ぎてしまう。そういう油断が、私が痩せない一番の原因かもなーと思いふけていく九州の夜なのでした。