ハンバーガーを「こんにゃく」で作る
世の中の最高に美味しい食事の一つに「ハンバーガー」があります。アメリカ生まれの魅惑のフードです。 大変美味しいのですが、さすがにダイエットには大敵ということで控えなくてはいけません。そこで、たくさん食べても罪悪感のない「こんにゃく」のハンバーガーを作ってみました。
ハンバーガーはハイカロリー
ハンバーガーという食べ物をご存知でしょうか。ジューシーなお肉で作ったミートパティを、野菜と一緒にバンズと呼ばれるパンで挟んだ食べ物です。世界中にファンがいるファーストフード界のスーパースターと言っても過言ではありません。
私も大好きで、お昼ごはんにハンバーガー、おやつ代わりのハンバーガー、夜ごはんにもハンバーガーというハンバーガー三昧の1日を過ごしたこともあります。しかしそのお陰なのかハンバーガーみたいなまんまるの体型に。
そこで、ダイエット食としても有名なこんにゃくでハンバーガーを作ってみることにしました。肉もバンズもすべてがこんにゃくで出来ているハンバーガーです。こんにゃくはほぼカロリーもなく、よく噛むことで満腹中枢も刺激してくれます。
私たちがフィールドにしている山梨県小菅村もこんにゃくが特産品で、古くから作られてきました。
今ではこんにゃくで有名な群馬県の下仁田にも、小菅村から芋を持って行っていたそうです。こんにゃく芋は通常3-4年土の中で成長させて、掘り出します。そこからこんにゃくにするために1日あく抜きをします。
手間暇かけて作ったのにほぼカロリーゼロという不思議な食材です。以前発展途上国の研修生を受け入れた際に「なぜノーカロリー、ノーテイストの芋を作るのか!」と不思議がられました。こんにゃくは日本の豊かな食文化の集大成といっても過言ではありません。
こんにゃくから肉を作る
こんにゃくの素晴らしさがわかったところで、「こんにゃくのハンバーガー」を作ろうと思います。まずはこんにゃくからお肉を作ります。
こんにゃくで本当にお肉を作れるはずもないので、お肉に似た食感にします。多くの方が知らないと思うのですが、こんにゃくは一度冷凍して解凍するとお肉のような食感になるのです。
解凍するとスポンジのようになります。これがお肉のような食感を生むのです。軽く水を絞って使います。これに切れ込みを入れて、フライパンで焼きます。 今回はこんにゃくに合うように照り焼きソースを作って絡めることにしました。日本生まれのハンバーガー照り焼きバーガーです。
見た目はほぼ肉です。味はわかりませんが、人は見た目が9割といいますので、私にとって、今このこんにゃくは完全に肉になりました。
野菜とピクルスもこんにゃくで作る
ハンバーガーに欠かせないものといえば新鮮野菜とピクルスです。これもこんにゃくで作っていきます。どう考えても無理なのですが、今回はこんにゃくの可能性を最大限まで信じてみようと思います。私は褒めて伸ばすタイプなのです。
新鮮野菜は、刺身こんにゃくとして食べられる青海苔入りのこんにゃくをレタスっぽく切りました。ピクルスも冷凍こんにゃくがいい感じにピクルス液を吸ってくれるので、さっぱりしています。
最大の難関が待っていた
ここまでは順調です。味は全くわかりませんが、見た目だけで言えば、肉、野菜、ピクルスとハンバーガーに必要な食材が揃いました。
一番大事なものを忘れていました。ハンバーガーの命、バンズです。さすがに「こんにゃく、パン、作り方」でGoogleで調べても、こんにゃく粉混ぜれば? といったようなとんちんかんな答えしかしてくれません。
バンズどうしよう
私が作りたいのはこんにゃく100%のバンズです。どうやら調べるとこんにゃくだけで作ったパンもあるようなのですが、私の技術では無理です。ちなみに私はおでんもカレーも失敗するほどの女子力です。
そこで、どうしようもないので、半分に切ったこんにゃくの水気を一晩抜き、そのまま焼いてみることにしました。見た目は完全にバンズです。ハンバーガーも見た目が9割なのです。焼いている間はこんにゃくの香りが部屋じゅうに充満していました。
こんにゃくバーガー完成!
バンズ、肉、野菜、ピクルスとほぼ必要なものが揃ったので、早速ハンバーガーを作ります。私の頭の中では完璧にハンバーガーです。お腹が鳴ります。
どこからどう見ても、ハンバーガーです。だいぶ近づいたのではないでしょうか。ここまで一回も味見をしていないので、不安しかありませんが、見た目だけで言えば9割ハンバーガーです。そう思い込むことにします。思い込むことと空腹は最高の調味料です。
こんにゃくバーガーこんにゃく味
ハンバーガーを味わうために狭い庭に机と椅子を出して雰囲気を出します。幸いにも家の近くにはヤシが生えているので、雰囲気は満点です。味が心配なだけに見た目や雰囲気で保険をかけておきます。私なりのリスクマネージメントです。
驚くほどこんにゃくです。ちょっと硬いこんにゃくと、肉みたいなこんにゃく、レタスみたいなこんにゃくと、ピクルスみたいなこんにゃく。見事なまでのこんにゃく四十奏です。 噛み締めれば噛みしめるほど、満腹中枢を刺激し、こんにゃく味が口いっぱいに広がります。意外と美味しい気もしますが、半分食べた時点でハンバーガー食べたいなーという不思議な気持ちに襲われます。
食べ終わるのに30分ほどかかりました。全部食べるとお腹いっぱいで他のものは入りません。しかも顎が痛いです。脳内だけは他の食べ物の映像でいっぱいになります。不思議な体験でした。