海外で買ってきたよく分からない薬を飲む
薬局に行くと当たり前だけれど、いろいろな薬が売られている。中にはサプリメントと言えばいいのだろうか、体に良さそうな薬もある。これは日本だけではなく、海外でも共通だ。 そこで海外で、言葉がよくわからないので雰囲気だけで体に良さそうな薬を買って飲んでみようと思う。きっと海外の薬も体によいはずなのだ。
海外の薬
日本の街を歩けば、必ず「薬局」がある。よっぽどの田舎は別だけれど、都会だと、ほぼ間違いなく薬局は存在するのだ。そこで風薬をかったり、サプリメント的な何かをかったりする。
よく「全米で大流行」とか、「全米が泣いた」とかで、日本にアメリカのものが入ってくることがある。深夜にやっているアメリカ人が出ている通販番組などを見ていると、アメリカの製品はすごんじゃないかとなる。
ということで、ハワイに行ったときに、薬局を回った。そこで、海外の体によさそうな薬を買おうと思うのだ。問題は、英語で書いてあるので、なんの薬か分からないこと。完全に雰囲気だけで選ぶことになる。
安い薬を買う
ハワイのホノルルは日本人観光客が多く、日本語での表記が多い。どんな薬が並んでいるかは、日本語で書いてあるのでわかる。ただ薬それぞれには日本語はないので、どんな薬か分からないのが問題だ。私は英語が全く分からないのだ。
英語が分からない以外にも問題はあって、絶妙に値段が高かった。お金を持ってきていなかったので、買えないのだ。困ったな、と思っていたら、値引きしてある薬を見つけた。どうせなんの薬か分からないので、これでもいい気がする。
日本で飲んでみる
ハワイで3つほど薬を買った。高校の英語のテストで14点を取ったレベルの私には、ほぼ何の薬か分からない。でも、アメリカの薬。きっと素晴らしい効き目だと思う。早速飲んでみようと思う。
錠剤なので、飲めばいいんだろうな、と分かる。粒がなんだか大きい気がする。アメリカサイズなのかもしれない。説明を読んでも、英語で全然分からないので、とりあえず5錠ほどを飲んでみた。
飲んだとたんに思う。あれ、なんか俺、元気になったぞ、と。レッドブルを飲んだ時のように、体にエネルギーを感じるのだ。特に肩こりが緩和された気がする。これがアメリカの薬の力なのだ。
正解が知りたいので、英語が分かる人に薬の説明を読んで教えてもらった。 「これは血行が良くなる薬ですね。肩こりが治ったんですか? 説明を読む限り、足と足首の血行がよくなるみたいですよ。肩こりが治ったんですか? 変ですね」
肩こりが治ったのは完全に勘違いだった。足と足首に効くらしい。また私は5錠飲んだけれど、一回2錠が正しいらしい。言われてみれば、薬を飲んでから足首の調子がいい気がする。信じる気持ちもまた薬なのだ。
液体の薬
次は箱に入った薬を使ってみる。箱から出すと液体の入ったボトルがあり、上部をプッシュすると霧状の液体が噴出する仕組みだ。これはあれだ、肌にプッシュすることで、肌の調子がよくなったりするやつだと思う。
前回同様にこの使い方に自信がないので、英語が分かる人に説明を読んでもらう。英語が分かるって素晴らしいな、と思う。
「これはあれですね、口にプッシュするのが正しい使い方ですね。肌にいいとかは一切書いてないです。運動後に口にプッシュするみたいですよ」
運動後に使うといいらしいので、近所を全力で走ってみることにした。そして、運動直後に、先の薬を口にプッシュする。特に味はなく、あんなに息が上がっていたのに、急に呼吸が整う。そういう薬なのだ。
私が薬を使い、呼吸が整ったのを見ていた、英語が分かる人が薬を手に取り、説明を読み、話しかけてきた。 「呼吸が整ったんですか? この薬で。これそんな効能ないと思いますよ。筋肉痛に効くみたいですよ。でも、呼吸が整ったんですか。すごいですね」
またやってしまった。筋肉痛とかが治る薬らしく、呼吸が整うとかそんな効能はないらしい。もう勘違いだけで、改善されるので、もはや私はラムネでも飲んでいればいいのかもしれない。プラシーボ効果てき面の人間らしい。
眠れる薬を飲む
最後の薬は実に分かりやすい薬である。「RESCUE SLEEP」と書いてあるし、パッケージのデザインからも、間違いなく、睡眠導入剤的なものだろう。
見かけだけではなく、こちらは事前に先ほどの方に英語で最後まで説明を聞いている。睡眠を助けてくれる薬で間違いない。よく眠れるんじゃないですか、とのことだった。
心の問題!
海外で買ったよく分からない薬を飲んでみたけれど、言葉が分からないがいい方向に出て、私には全て効果抜群だった。しかもUSAというのも、その手伝いをしてくれたのではないだろうか。最後の睡眠導入剤についても、そんなに効果が期待できるものではないそうだけれど、私はぐっすり。単純なことも時には素晴らしいということではないだろうか。